3/11付けで公益法人の定期提出書類の手引きが更新されています。
定期提出書類の手引き(公益法人編・平成28年3月11日現在)
手引きの24ページにわたり全53箇所更新されていますが、主な内容は、平成27年4月のFAQ改定を受けての追加・修正で、重要性の観点から内容を区分すると次のとおりです。
1.平成27年4月のFAQ改定に伴うもの
2.表現の明確化・追加情報
3.語句の修正など
このうち、押さえておきたい1.2について書きたいと思います。
1.平成27年4月のFAQ改定に伴うもの
<FAQ5-2-6(収支相償)剰余金解消計画の関連>
収支相償要件を満たすため剰余金の解消計画を示している場合には、次の書類等の提出が求められる旨追記されています。
① 手引き6ページ 提出書
前年度に発生した剰余金の解消計画(様式自由)
② 手引き28・29ページ 別表A(1)収支相償 第一段階、第二段階
前年度に発生した剰余金の解消計画に対する実績に加え、
具体的な資金使途の説明書類(様式自由)
③ 手引き28・29ページ 別表A(1)収支相償 第二段階における剰余金の扱い
今年度に発生した剰余金が翌年度に解消できない場合、
その理由と解消計画立案のための具体的な検討スケジュール(様式自由)
⇒ 剰余金が生じた場合における解消計画と実績の具体的な示し方に関する追記です。
<FAQ6-2-6(区分経理)他会計振替額の関連>
法人会計から公益目的事業会計に他会計振替処理された財産も、公益目的事業財産になる旨追記されています。
・手引き55ページ 別表H年度末日における公益目的取得財産残額
13欄: 他会計振替された財産も公益目的事業財産に該当
<FAQ6-2-7(区分経理)正味財産増減計算書の法人会計区分の省略の関連>
法人会計区分を設けない場合の記載方法について、以下の事項が追記等されています。
・別表A(1)収支相償 第一段階、第二段階
① 手引き28ページ2欄(経常収益欄): 経常収益から管理費相当額を控除
② 手引き28ページ3欄(経常費用欄): 管理費は含めない
③ 手引き29ページ7欄(収入欄): 経常収益から管理費相当額を控除
④ 手引き28ページ7欄(費用欄): 管理費は含めない
・別表H(1)当該事業年度末日における公益目的取得財産残額
⑤ 手引き55ページ3,5,15欄: 管理費(相当額)は含めない
⇒ 法人会計を設けない場合、収益・費用から法人会計帰属分を除外する旨の追記です。
2.表現の明確化・追加情報
表現の明確化等の観点から、それぞれ次の情報の追記等が求められています。
(1)手引き13ページ 別紙2法人の基本情報及び組織
① 2.(2)(3)(6)評議員、役員及び職員の人員欄: 年度末時点の数を記載
② 2.(7)社員総会等の開催状況欄: 決議の省略によるものを含む
(2)手引き32ページ 別表A(3)第二段階・収益事業等の利益の繰入額計算
① i欄(右上): 収益事業、その他の事業がない場合、この別表は作成不要
② 10欄: 繰入額は、収益事業・その他の事業のうち赤字の会計区分は除き計算
(3)手引き55ページ 別表H(1)年度末日における公益目的取得財産残額
13欄: 公益目的事業財産には、公益目的保有財産のほか公益事業に関する次の財産も対象
・資産取得資金
・特定費用準備資金
・交付者の定めた使途に従い使用・保有している財産
・交付者の定めた使途に充てるために保有している資金
(4)手引き10ページ 別紙1運営組織及び事業活動の状況の概要等について
2.(3)寄附を受けた財産の額欄: 個人に加え法人からの寄附額も記載
押さえるべき項目は上記のとおりで、これ以外は実質的な影響のない語句の修正等です。
なお、手引き43ページの別表C(2)控除対象財産のヒント欄には、控除対象財産と会計上の資産の対応関係を整理した表が記載されていますので、こちらも必要に応じて確認ください。