タイトルは、1か月ほど前に発売された日経ビジネスの特集記事です。
日本の労働生産性が低い、というのはよく聞く言葉で、生産性向上のためにはイノベーションが必要、というのもよく聞く話かと思います。
イノベーション企業の代表としてはアップルやアマゾン、アルファベット(グーグル)などが思い浮かびます。
いずれも日本より労働生産性が高いとされるアメリカの企業ですので、イノベーションが重要な要素であることは確かだと思います。
※日本の生産性の動向2014年版(公益財団法人日本生産性本部)
なぜ、日本の労働生産性は低いのか?
では、なぜ日本の労働生産性は低いのか、についてですが、代表的なものとして次のようなことが挙げられていると思います。
・イノベーションの力が弱い
・流動性に乏しい雇用制度
・モチベーションが低い
※なお、日本の製造業の労働生産性は高いとされています。これは工場管理手法が優れているためですが、近年はその優位性が崩れてきているといわれています。他国の産業レベルの向上や、IT化、サービス業へのシフトなどがその要因とされています。
個人的に3つ目の「モチベーションの低さ」が気になっていたところ、今回の日経ビジネスでモチベーションに焦点をあて特集されていましたので、このことについて書きたいと思います。
無気力社員ゼロ計画 ~日経ビジネス~
記事の導入部分では、日本人の仕事への意欲や誇りが、如何に低いかということについて、海外の平均値と比較して示しています。
例えば、「この会社を素晴らしい職場として人に薦めたいか」という問いかけには、イエスの割合が海外の約60%に対し、日本は40%にも満たない、というように意識の低さを示す調査結果がいくつか示されていました。なんとも寂しい感じです。
では、日本の企業はやる気向上のためどんな取り組みをしているか、という流れで、次の3つのパターンに分け具体的な事例が紹介されています。
1.一体感の醸成 ・・・ 社員を総動員してのイベントなど
2.働く意味の確認 ・・・ スタッフ間の交流や経営理念の確認など
3.多様性の活用 ・・・ 在宅勤務の拡大など
それぞれの企業が、組織の問題点や社員の課題・バックグラウンドなどを踏まえ、様々な策を講じていることが紹介されています。
ただ、ここまでは他でも目にしたような内容でしたので、これで終わり?と心配になりましたが、締めのエピローグにこれはと思える面白い事例が紹介されていました。
専業禁止?
「専業禁止!!」
エンファクトリーという会社の人材ポリシーです。HPにも掲載されています。
世間一般で禁止されている副業が、エンファクトリーでは推奨されているということでした。(同社では副業ではなく、同等の意を込め複業と呼んでいます)
これからは働き方と生き方を個人がデザインする時代。
個の生き方を高められる会社こそが求められている。
専業禁止の導入を決めたエンファクトリー・加藤健太社長の言葉で、強烈に印象に残っている言葉です。(加藤社長は私と名前が同じですし・・)
終わりに
今回の記事を読んで、あらためて日本人のモチベーションが低い理由についての興味がわきました。
労働生産性の問題は、もともとの低さに加え、生産年齢人口の減少が止まらない日本においては最優先課題と思いますが、原因がわからないことには始まりませんからね。
というわけで、何かいい本はと探していたところ、良さそうな本がありました。
日米で人事コンサルタントとして活躍するロッシェル・カップという方の本です。
人材マネジメントの世界では、組織への貢献意識やモチベーションの高さを意味する「エンゲージメント」という言葉が注目されているようですが、このエンゲージメントを高める方法について書かれています。
まだ読み終えていませんが、感想はあらためてブログにアップしたいと思います。