少し前になりますが、3/12・13に参加したファンドレイジングの大会 『FRJ2016』 に参加したレポートを書きたいと思います。まずは初日のリポートから。
開会セレモニー・オープニングセッションでの鵜尾会長(日本ファンドレイジング協会)のトークによって会場は盛り上がり、私もスタートからエネルギーを貰いました。
<セッションのテーマ>
セッションは2日間で約60あり、分類すると次のようなテーマがあります。
・寄附プログラム、助成金
・事業戦略、マーケティング
・支援者コミュニケーション
・チームビルディング
・ガバナンス
・FRの世界の潮流
<セッションの特徴>
1.受講者間の交流が多い
「ファンドレイジングはフレンドレイジング!」
日本ファンドレイジング協会の方々がよく口にするフレーズです(笑)
テーマへの理解だけでなく受講者間の交流を深める視点から、隣に座った方との意見交換や、4~6名位のグループ毎でのバズセッションを取り入れたものなど、単なる受け身ではないセッションが多いのが特徴です。
2.オープンドア形式で出入り自由
セッションは1つの時間帯に概ね8コマあるため、選択は結構迷います。しかし、講義中の入場・退場が自由で、イメージと違った場合には他へ移動できるため、自分に合ったセッションを見つけやすいです。
<初日の参加セッション>
はじめての社会的投資 ~投資のリターンの測り方、伝え方を考える~
講師: 功能聡子氏 ARUN合同会社代表・ARUN Seed代表理事
最初のセッションをどれにするか迷っていたところ、オープニング会場で名刺交換した方から、講師の功能さんと共同で新たに事業を立ち上げるとの話を聞き、参加することにしました。
新たな事業は、オーナー企業を中心とした中小企業の社会貢献活動をサポートするという取り組みとのこと。社会貢献活動というと大企業中心なイメージがありますが、中小企業も同じような思いを抱き、特にオーナー企業ではその思いも強いため、そのマッチングを行うといった内容でした。
自身の経験上からも納得する部分があり、功能さんがこれまでどのような活動をされてきたのか興味が湧き、参加することにしました。
講演の主な内容は次のとおりです。
・社会的、経済的リターンを同時に生み出すのが社会的投資
・社会的リターンの測定の難しさ(数値化など)
・現時点では投資⇔回収のサイクル回っていない
・活動を通じ仕組みを作りいずれ自立させる、という視点
・活動を通じ共に成長する
全体的な感想としては、話し方が上手です。功能さんは喉の調子が悪く、声量なくかすれ声状態でしたが、間合い、受講者とのコミュニケーションのとりかたなど素晴らしく、独特の世界観を作り上げていました。
本人曰く、頭をうって声が出なくなった、とのことでしたが、その状態でも講演し、聴衆を惹きつけていました。凄いとしかいいようがありません。感心しました。
なお、内容に関しての感想は、社会的活動の結果・成果・影響を「どのように測定し、どのように伝えるか」 このことに皆さんが苦慮されていることを再認識しました。社会的投資の課題で絶対的な解決策はないようにも思いますが、これが社会的投資のキーであることは確かだと思います。
遺贈寄付を受けるNPOの人が知るべき法務・税務10のポイント
講師: 脇坂誠也氏 NPO会計税務専門家ネットワーク理事長
樽本哲氏 NPOのための弁護士ネットワーク代表
山北洋二氏 日本ファンドレイジング協会理事・あしなが育英会常勤監事
遺産を寄付する意思がある人は40歳以上で21%に達するそうです。これに対し実際に遺贈寄付した人は1%。実に20ポイントものかい離があります。
遺贈寄付についての認知を含め環境が整備されていないことが理由とされていますが、逆にいえば、環境整備さえ進めば、少子高齢化や寄付意識の高まりと相まって、遺贈寄付が加速度的に増えると捉えることができます。
日本ファンドレイジング協会ではこの点に着目し、遺贈寄付推進に向けた取り組みを進めていましたので、私もそれに共感し、関連知識の整理と具体的な事例についての確認のために参加しました。
セッションでは、遺贈の基礎知識やリスクのほか、遺贈を受ける財産別の留意点などについても触れていました。また、遺贈を受ける団体になるためのポイントについても紹介されていました。
<遺贈を受ける団体になるためのポイント>
1.受け入れ体制の整備
財産の受入対象や使途等を定めた基本方針や内規の整備、担当者の設置、など
2.専門家との連携体制の整備
紛争リスクのあるケースでは弁護士と連携、など
3.広報ツールの作成
専門のHP・パンフを作成し、担当者をおく、など
初日はこれ以外に2つのセッションと夜の懇親会に参加しました。これら内容と2日目のセッションに関しては後日アップしたいと思います。