自分の経験にどのような意味を与えるか ~書籍「嫌われる勇気」~

2年連続、年間ビジネス書ランキング1位。(2014年・2015年)

今さらながら読んでみた感想について書きたいと思います。

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2013年の12月に出版されて以来、メディアなどでも散々取り上げられていましたが、「嫌われる勇気」というタイトルが好きになれず避けていました。

タイトルからは、周りの目など気にせず好き勝手生きよう、といったイメージでしょうか。

それでも読もうと思ったのは、2014年に続き2015年もランキング1位だった、という単純な理由からです。(笑)

話題についていけないのもイヤだな~という思いが気持ちの大半で、イメージに反し豊かにしてくれるのでは?といった期待はごく僅か、というのが実際のところでした。

 

率直な感想

そのようななか、読んでみた感想ですが、

・出合えて良かった
・もっと早く読んでいれば良かった
・さすが2年連続1位、納得

というのが正直なところで、アドラー心理学の世界観に心地よさを感じました。

特に悩みがあったわけではありませんが、対人関係や自分の過去に対する捉え方の整理ができ、気持ちもすっきりしました。

 

対人関係をテーマにした心理学の本

アルフレッド・アドラーという心理学者の心理学をテーマにした本で、アドラーの教えを伝えるため、哲学者と青年の対話形式によってストーリーが展開していきます。

「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と言い切ったうえで、対人関係を“きわめてシンプル”に考えるための方策を具体的に提示してくれます。

アドラーは、フロイトやユングと並び心理学の3大巨頭の一人とされ、過去の経験に原因があるとされるトラウマを否定し、行動の「原因」ではなく「目的」に目を向けるなど斬新な理論で知られているようです。

このあたりの話しについては私はもともと疎いですが・・(^^;

もちろん、そんな心理学などの事前知識が無くても、哲学者の教えに真っ向から反論する青年との対話形式のため、問題なくアドラー心理学の考え方を学ぶことができます。

 

自分の経験にどのような意味を与えるか

 

「いかなる経験も、それ自体では成功の原因でも失敗の原因でもない。われわれは自分の経験によるショック(トラウマ)に苦しむのではなく、経験の中から目的にかなうものを見つけ出す。自分の経験によって決定されるのではなく、経験に与える意味によって自らを決定するのである。」

 

10か所位マーカーを引いた中で、一番印象に残っている文章です。

過去の経験をどのような捉えるかが、今の生き方につながっている。ポジティブに捉えるのも、ネガティブに捉えるのも自分の主観で決めているに過ぎないが、その決定が自分の人生を決めている。

私は今でこそ、過去にとらわれず前に向かって進もうというスタンスですが、変えることのできない過去や他人に、ストレスを抱えていた時期もありました。また、前に向かってといいつつも、捉え方の整理は上手くできていなかったと思います。

今までは自分の中で何となく消化してきましたが、これからはスッキリと整理できるような気がします。

 

このような方に・・

アドラー心理学は、デール・カーネギーの『人を動かす』をはじめ、多くの自己啓発書にも影響を与えているようです。

人間関係や過去のトラウマなど、ご自身で悩みを抱えている方はもちろんですが、周りにそのような方がいる場合や、愚痴を聞かされていて・・、といった方にもお勧めできる本です。

ご自身が読むことで、もしかしたら深い悩みの底にいる方を救ってあげられるかもしれません。私自身もトライしてみようと思っています。

さすがに、一回読んだだけですっきり解決、ということはないと思いますが、「あっ、こういう考え方もあるんだな」と思えるだけでも、気分が楽になると思います。

少しでも興味がわいた方は、是非読んでみてください。そのような方にはお勧めです。